電子カルテにおける呼吸・循環系の情報・アセスメントの記載に関する研究

2008 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 20791679
• Research Institution: Saitama Medical University
• Principal Investigator: 中島 春香 Saitama Medical University, 保健医療学部, 助教 (30438858)
• Keywords: 電子カルテ / 情報 / アセスメント

Research Abstract

本研究の実施に向けて、電子カルテの記載状況に関連した研究の文献検索を行い、本研究の分析過程で参考資料となる紙カルテを対象として調査を行った先行研究を整理しなおした。信頼性が高く共通して使用できる用語集・略語集があまりない背景、記録する際の効率、主観的になりやすい情報を客観化することの難しさ、症状などの有無や頻度を表現する基準がないことが関係し、正確な用語を統一して使用するためのルールや個人の主観に左右されないシステムの必要があることが示唆された。本研究では、カルテが電子化されたことによって看護記録の記載の仕方にどのような影響を及ぼしているのかを明らかする。今後、全国で電子カルテを使用している病院のICUおよび消化器外科病棟で消化器疾患患者とその患者を受け持った看護師を対象として、参加観察、記録調査、半構成的面接を実施する予定である。その調査を実施するにあたって、研究の協力を依頼した病院は13施設であり、その結果、協力に承諾した病院が2施設である。ICUを持つ総合病院でカルテが電子化されているところはまだ少ないため、協力を依頼したが該当しない病院が多くあった。現在、協力に承諾した病院の責任者や研究協力者との調整を行っている。本研究は分析対象が患者や看護師および対象看護師によって記載された看護記録であるため、個人情報を外部に持ち出すこと、また参加観察や面接による対象患者と対象看護師への負担に対して十分な倫理的な配慮が必要である。その点を協力に承諾した病院と話し合い、丁寧に準備を進めているところである。次年度は協力に承諾した病院で調査を実施し、分析を行う。