2010 Fiscal Year Annual Research Report
慢性期脳血管障害患者の寝たきりを防ぐ背面開放座位ケアプログラムの開発
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20791682
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
大久保 暢子 聖路加看護大学, 看護学部, 准教授 (20327977)
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Keywords | 慢性期 / 脳血管障害 / 寝たきり / 背面開放座位 / 看護プログラム / "起きる"看護ケアプログラム / 廃用症候群 |
Research Abstract |
過去2年間で作成した背面開放座位ケアプログラム(通称"起きる"看護ケアプログラム)を製本した冊子と書籍となった説明本、および背面開放座位保持具(Sittan[○!R])を使って、2医療施設の脳神経外科病棟2病棟で効果検証を行った。検証の結果、対象患者である慢性期脳血管障害患者計10名において表情の変化、頸部自力保持などの僅かな効果が見られたと同時に、離床時間の延長、家族との面会時間の延長の結果が得られた。また、患者の家族は、本プログラムを受け入れ、本プログラムを通じて、患者の身体的状況を理解し、家族自身が出来ることは何か模索する態度に繋がった。最終的には、起きることの重要性を家族が認識し、本プログラム提供メンバーとして参与することで介護意欲を高める結果となった。 本プログラムの効果としては、計10例の患者データの結果となったことから、効果として価値づけるにはデータ数の少なさがあると考えられる。加えて、家族にも良い影響があったことが付随の効果として認められたことから、今後は、家族への効果も測定し、データ数を増やしていく必要があると考えられた。 上記の結果の一方で、"起きる"看護ケアプログラムを導入した医療施設の中で、幾つかの施設が導入を中断しており、効果が検証されているにも関わらず、同プログラムの普及には未だ課題が多いことが分かった。今後は、本プログラムの効果検証のデータを増やすと共に、医療施設への普及対策を考える研究に取り組むことが課題と考える。
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