2009 Fiscal Year Annual Research Report
胃全摘出術後患者の退院後栄養代謝量の変化と心理的関連要因
Project/Area Number |
20791690
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
堀越 政孝 Gunma University, 医学部, 助教 (80451722)
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Keywords | 胃がん / 胃全摘術 / 栄養代謝量 |
Research Abstract |
【目的】胃全摘後患者の退院後における消費量の変化と栄養状態、心理状態を明らかにし、その3点の関係性を導き出すことである。 【方法】対象:胃がん(Stage I A-IIIA)にて胃全摘術を受けた50~70歳代男性3名期間:2009年1~5月調査方法:退院直後から生活習慣記録機を毎日起床時から就寝時まで装着してもらい、1日の総消費量と活動量を測定した。測定期間は、退院後から第2回目外来受診日までとした。作成した自己記録用紙を用い、日々の体重変化・症状・食事回数を記入してもらった。また、退院時・退院後初回外来受診日・2回目受診日に面接を行い、抱えている不安や症状について自由に語ってもらった。面接の逐語録をデータとし、質的帰納的に分析した。以上より、栄養代謝量の変化と心理的変化の関係を考察した。 【結果】1)活動量と栄養状態:退院から約1ヶ月の間、個人差はあるもが、全対象者が体重・体脂肪率共に減少していた。一方で、1日の総消費量・運動量には、大きな変化はなかった。2)心理状態:退院時の面接では「生活への漠然とした不安」「予後に対する不安」「食事への不安」「仕事復帰への不安」、退院後1回目外来受診時では「症状(吃逆・心窩部不快)への不安」「体力の低下への危惧」「体重減少への危惧」、2回目受診日では「体力の低下への危惧」「症状が落ち着いたことへの安堵」「症状への対処がうまくできた自信」「体力回復への安堵」が挙がった。3)栄養代謝量の変化と心理的変化の関係:体重減少していく中でも、体力回復の実感や症状への対処行動がとれるようになったことで、生活を送ることに対して自信を得ていた。 【考察】胃全摘術後患者は、退院後1ヶ月の間に、体重減少と様々な症状を体験する。その時期において、生活の再構築を促進する援助が必要であり、その時々における患者の主訴を十分に網羅し、能力に応じた実現可能な教育的介入を行うことが重要であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)