2010 Fiscal Year Annual Research Report
インターネットTV電話システムを用いた糖尿病患者フットケア指導プログラムの構築
Project/Area Number |
20791697
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
澄川 真珠子 島根大学, 医学部, 講師 (20432312)
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Keywords | 糖尿病 / フットケア / テレビ電話 |
Research Abstract |
H22年度においては、糖尿病看護専門外来に通院中の足病変を有する糖尿病患者を対象に、受診日と次回受診日までの間に、糖尿病専門看護外来の看護師が、テレビ電話(Skype)によるフットケアを含む療養指導を2週間毎に実施し、フットケア行動や足状態の変化を検討した。療養指導内容は、糖尿病の自己管理状況(フットケア行動)の評価、WEBカメラによる足の観察とフットケアの再指導である。足状態の変化は、写真を記録し評価した。フットケア行動の評価は、自己管理行動評価尺度J-SDSCAを使用した。J-SDSCAは、過去7日間において自己管理ができた日を1点で点数化し、得点が高いほど良い。なお、本研究は、所属施設の倫理委員会の承認下で行った。インターネットTV電話システムによるフットケア行動の変化は、「靴の中の観察」「足趾間を拭く」といった項目が2ヵ月半後に上昇した。また、「足の観察」は、1ヵ月後に得点が上昇したが、以後は、足白癬の状態改善につれ、得点の低下がみられたと同時に、外用抗真菌薬の塗布回数も低下した。なお、対象患者からは、テレビ電話により、皮膚病変に対し医療者からタイムリーにアドバイスをうけられた点が有用と評価された。テレビ電話を通したかかわりは、視覚的な評価が必要な足病変に対し、医療者がより適確に指導でき、また家庭生活のなかで継続的に繰り返し指導できることが、自己管理行動の改善につながったと考えられる。テレビ電話による指導は、繰り返し指導が実施できることから、理解力不足の症例や、頻回の介入が必要な症例などに対しても、フットケア行動の改善が期待できよう。また、このようなシステムは病院での診療回数の減少など医療経済的効果や、インフルエンザなどの重症感染症の流行時などの感染防止の観点からも有用と思われる。来年度もさらに対象の数を増やしての検討を行う予定である。
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