2011 Fiscal Year Annual Research Report
インターネットTV電話システムを用いた糖尿病患者フットケア指導プログラムの構築
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20791697
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
澄川 真珠子 島根大学, 医学部, 講師 (20432312)
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Keywords | 糖尿病 / フットケア / テレビ電話 |
Research Abstract |
糖尿病患者に対し、テレビ電話(Skype)を併用したフットケア指導を行い、フットケア行動の変化を検討した。指導は、医師の診察日と次回診察日の間に2~3週間毎に看護師が実施し、初回30分間、2回目以降約10~15分であった。テレビ電話での指導内容は、過去1週間のフットケア行動の振り返りと病院で行った指導内容の確認であった。フットケア行動評価にはJ-SDSCA尺度を用いた。J-SDSCAは、過去7日間において自己管理ができた日を1点で点数化し、得点が高いほど良い。その結果フットケア行動得点は、総得点35点満点中、初回7点から3ヵ月後26点に上昇した。その内訳は、「足を洗う」行動は、初回時から常に満点であった。「足趾間を拭く」行動は、初回0点から1ヵ月後以降7点満点となった。また、「足の観察」行動は、初回時0点から1ヵ月後以降7点満点に上昇した。しかし、「靴の中の観察」行動は、初回より0点で経過し、「靴の中に石ころが入った時にはその都度出す」といった発言がみられた。定期的なフットケア行動の振り返りを医療者とともに行ったことによって、患者の足に対する認識が向上し、フットケア行動の改善につながったと考えられる。テレビ電話をとおした関わりは、視覚的な確認が必要な足病変に対して、家庭生活のなかでリアルタイムに適確に繰り返し指導が可能と考えられる。またテレビ電話による指導は、繰り返し指導が実施できることから、理解力不足の症例や、頻回の介入が必要な症例などに対しても、フットケア行動の改善が期待できると考えられる。さらに、このようなシステムは病院での診療回数の減少など医療経済的効果や、インフルエンザなどの重症感染症の流行時などの感染防止の観点からも有用と思われる。
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