2008 Fiscal Year Annual Research Report
がん看護におけるケア方略としてのタッチの臨床判断に関する基礎的研究
Project/Area Number |
20791699
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
村上 美華 Kumamoto University, 医学部, 助教 (90321950)
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Keywords | 看護学 / タッチ / がん看護 / 臨床判断 |
Research Abstract |
本研究の最終的な目標は、タッチをがん看護における方略的なケア技術として確立することであり、「(1)質的記述研究による臨床判断の構成要素の抽出」、および「(2)量的記述研究による関連要因の探索」の2点で構成される。 平成20年度は(1)について、がん看護領域での臨床経験が5年以上の看護師8名(がん領域の認定看護師3名を含む)に対して第1段階面接(個別面接)を実施した。看護ケアで成果を得たタッチの実践について、状況の判断・コントロール、タッチの意図・方法、成果の判断の視点で分析を行い、類似性と差異性に留意して臨床判断の構成要素を抽出した。また、個別面接を行った参加者のうち3名に対しては、分析結果についての確認を行った。その結果、「患者の苦痛・苦悩を把握する」「患者に専心する時間を創出する」「患者との最良の距離をとる」「目的に合わせた方法を選択する」など25の臨床判断が抽出された。また、臨床判断に関連する要因として、タッチの有用性についての確信や患者との関係性が考えられた。今後は、概念の飽和化を目指しながら定義(説明)をさらに洗練するとともに、時間軸に沿った整理を行う。同時に、臨床判断に関連する要因を探求し、タッチの臨床判断仮説モデルの構築を目指す。
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