2009 Fiscal Year Annual Research Report
外来放射線治療を受ける患者への治療開始前看護介入プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
20791708
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
黒田 寿美恵 Prefectural University of Hiroshima, 保健福祉学部, 講師 (20326440)
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Keywords | 外来放射線治療 / がん患者 / 外来看護 / 心理的援助 / 情報提供 / 介入研究 |
Research Abstract |
研究の目的は,外来放射線治療開始前の患者への教育・相談機能をもつ看護プログラムを開発することである。外来放射線治療を受けるがん患者21名を対象に,治療開始前にインタビューを行った結果,この時期に必要とする情報として,有害事象の種類および出現時期・部位・程度,有害事象出現時の医療者および自分自身の対処法,抗腫瘍効果に関する客観的指標,照射回数・照射期間と抗腫瘍効果との関係,放射線治療と原爆の相違点,など12カテゴリー,心理状態として,病状の悪化や死の意識がもたらす脅威の知覚,がんがもたらす不確かさへの憂慮,他に選択肢はないという覚悟,放射線治療への期待がもたらす安堵,長期間を要する治療であることに由来する困惑,など16カテゴリーが明らかになった。この結果を基に,Johnson(1975)の看護モデルの構成要素を参考に看護介入プログラムを開発した。介入の最終目標:外来で放射線治療を受ける患者が心理的に安定し,治療やその有害事象による心身の苦痛と生活の変化に対するセルフケア能力が高まるように支援すること介入対象者:外来で放射線治療を受けるがん患者介入時期:外来放射線治療を受けるために放射線科外来を初めて受診した時から放射線治療開始日の照射前まで看護介入の意図する結果:(1)放射線治療中の生活の様相がわかる,(2)放射線治療がもたらす有害事象とその対処法がわかる,(3)納得して放射線治療を受ける(開始前~治療中),(4)放射線治療に対する主体的な姿勢を維持する,(5)がん罹患や再発・転移がもたらす苦悩が緩和し,がんとの共存を前向きにとらえる,(6)放射線治療前に実施した他の治療がもたらす症状や不全感が緩和する看護介入の方法:(1)放射線治療が生活に及ぼす影響を説明するa.放射線治療がもたらす生活上の制約b.費用(2)放射線治療中の生活の調整の仕方を患者と共に考える,などである。
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