2008 Fiscal Year Annual Research Report
2型糖尿病患者の運動療法のとらえ方からみた運動療法看護教育プログラムの開発
Project/Area Number |
20791715
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
山崎 松美 Kanazawa Medical University, 看護学部, 助手 (70454238)
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Keywords | 糖尿病 / 運動療法 / 看護学 / 患者教育 |
Research Abstract |
本研究は、2型糖尿病患者が運動療法を継続できるようになるための看護教育プログラムの開発に向けて、運動療法を継続している2型糖尿病患者の運動療法のとらえ方と経験を明らかにし、先行研究で明らかとなった「運動療法継続への発展プロセス」を完成することを目的として行つた。当初は運動療法を6か月以上継続している2型糖尿病患者を対象に面接調査を計画していたが、2型糖尿病患者の運動療法の実態が全く明らかではなく、対象の選定も困難であったことより、まずは予備調査として2型糖尿病患者の運動療法の実態を、アンケート調査及び筋力測定により明らかにした。そして、その中から運動療法を継続している対象に対し、運動療法のとらえ方と経験を面接により聞き取るという2段階で調査を行った。 約260名の2型糖尿病患者にアンケート調査をし、うち約180名の筋力レベルを調査した。運動療法の継続率については、季節性の変動や運動中断歴が頻回にある場合や、対象者の記憶があいまいな場合も多く、さらには、何を運動療法とするかの個々の認識が違ったため、正確には分析できなかったが、調査時点での運動療法継続率は約60%であった。 運動療法を安定して継続している対象約100名に対し、面接調査を行った結果、先行研究通り、運動療法のとらえ方にはパターンがあること、そして運動療法を「糖尿病も持つ体へのいたわり」ととらえるようになるプロセスには、「何らかの身体的不調の経験」あるいは「糖尿病を持った自分の将来の体を考える」ことが関連しており、それにより「運動療法を行える喜び」を感じ、「糖尿病を持つ体へのいたわり」に向かっていることが明らかとなった。 今後、上記データの追加と詳細な分析を重ねることで、「運動療法継続への発展プロセス」を完成させると当時に「発展プロセス」の証明ができ、運動療法を継続している2型糖尿病患者から帰納的に導いた運動療法看護教育プログラムが完成する。これは、現行の運動療法教育とは全く違った教育方法であり、2型糖尿病患者にとって重要な運動療法の継続率を上げることができるプログラムである可能性が高い。今後、開発プログラムの有効性の検証へとつなげていく。
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