2009 Fiscal Year Annual Research Report
2型糖尿病患者の運動療法のとらえ方からみた運動療法看護教育プログラムの開発
Project/Area Number |
20791715
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
山崎 松美 Kanazawa Medical University, 看護学部, 助教 (70454238)
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Keywords | 糖尿病 / 運動療法 / 看護学 / 患者教育 |
Research Abstract |
本研究は、2型糖尿病患者が運動療法を継続できるようになるための看護教育プログラムの開発に向けて、運動療法を継続している2型糖尿病患者の運動療法のとらえ方と経験を明らかにし、先行研究で全体像まで明らかとなっている「運動療法継続への発展プロセス」(構造図)を完成することを目的として行った。昨年度に引き続き、2型糖尿病患者の運動療法の実態をアンケート調査しながら、運動療法を継続している対象を選定し、面接調査を行った。そして「運動療法継続への発展プロセス」をたどっている人、つまり運動療法を《糖尿病を持つ体へのいたわり》ととらえることができている人には、さらに焦点を絞り面接を行い質的に分析することで、概念間の詳細な関係を明らかにすることを試みた。 2型糖尿病患者299名にアンケート調査をし、うち何らかの運動療法を行っていると答えた人196名に面接調査をした。運動療法の継続率については、有酸素運動のみでみると、推奨レベルである150分/週以上の運動療法を行っていたのは86名(28.8%)であった。また、運動療法群196名のうち44名が運動療法を「糖尿病を持つ体へのいたわり」ととらえており、その面接内容を質的に分析した。その結果、「糖尿病もつ体へのいたわり」ととらえるようになるプロセスには、「運動ができない不安体験」を通して「糖尿病を持った自分の将来の想像と希望」が生じ、それにより「運動療法を行える喜びの実感」につながり、「糖尿病を持つ体へのいたわり」に向かっていることが明らかとなった。しかし、それらの関係性や細かな関連要因については十分明らかとはいえず、「糖尿病を持つ体へのいたわり」に達していない人達の面接内容と比較しながら、さらに分析を進めていく必要がある。 本研究結果は、運動療法を継続している2型糖尿病患者から帰納的に導いた運動療法看護教育プログラムの完成につながり、今後は、開発された運動療法看護教育プログラムの有効性の検証へとつなげていく。
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Research Products
(1 results)