2010 Fiscal Year Annual Research Report
慢性心不全患者の療養行動支援のための身体活動セルフモニタリング評価尺度の開発
Project/Area Number |
20791716
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
服部 容子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (20337116)
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Keywords | 慢性心不全患者 / セルフモニタリング / セルフマネージメント |
Research Abstract |
入退院を繰り返す心不全患者の健康管理能力を高めるには、看護師が患者の健康管理方法を把握する必要がある。それには、患者自らの疾病増悪に伴う兆候や身体的な感覚、日常生活活動の変化を定期的に観察する「セルフモニタリング」の様相を把握する必要がある。しかし、現在のところ、慢性心不全患者のセルフモニタリングとは具体的に何を指すのかが曖昧で、その状況を把握する手段も存在しない。そこで本研究は、慢性心不全患者のセルフモニタリングの概念の明確化と評価尺度の開発を目的とした。Rodgersらの概念分析法を用いて31件の文献を分析した結果、心不全患者のセルフモニタリングは、「良好なセルフマネージメントおよびQOLの改善を導くために、心不全に伴う身体症状の変化、身体活動の変化、体調管理の状況について自覚または測定し、その内容を解釈すること」であると明らかになった。次に、その概念を基軸に慢性心不全患者のセルフモニタリング評価尺度(ESSMHF)の開発を行った。外来通院中の慢性心不全患者167名中152名から同意が得られ(回収率91.0%)、142名から自記式調査への有効回答を得た。探索的・検証的因子分析によりデータを精選した結果、領域1は患者の健康管理の視点を反映する6因子21項目で構成され、セルフモニタリングの「自覚」と「測定」の様相を評価する内容となった。領域2は患者が「自覚」「測定」した症状をどのように「解釈」しているかを反映する4因子16項目で構成された。クロンバックα係数は0.53から0.84で、級内相関係数は0.42から0.74で、内的整合性および安定性が証明された。「ヨーロッパ心不全セルフケア行動尺度日本版(EHFScBS)」との相関係数は、相関があると予測された項目で相関があり、併存妥当性が証明された。以上から、ESSMHFは慢性心不全患者が行う健康管理の適切さや困難状況を把握する手段として活用可能であり、慢性心不全患者の個別的状況に応じた具体的な療養生活支援に役立つと考えられた。
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Research Products
(1 results)