2008 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療を受ける口腔癌患者の食思傾向を判断するオーラルアセスメントツールの開発
Project/Area Number |
20791717
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Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
大釜 徳政 Kansai University of Social Welfare, 看護学部, 講師 (50382247)
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Keywords | 放射線治療 / 口腔癌 / 食思傾向 / オーラルアセスメントツール / 有害事象 |
Research Abstract |
平成20年度の調査は、本邦の128名の口腔癌患者を対象として、放射線治療にともなう有害事象(味覚障害・口腔乾燥症状・口腔粘膜炎)、唾液分泌量の日内変動、鎮痛剤の使用、口腔ケアの回数、対象特性(性別・年齢・喫煙指数・義歯本数)および食思傾向との関連性を明らかにすることを目的とした。著者がパス解析を用いて20/30/50Gyの食思傾向に影響する項骨を検証したところ、20Gyの食思傾向は喫煙指数、年齢、味覚感度から影響を受け(R2=0.48, p<0.001)、30Gyの食思傾向は口腔ケアの回数、口腔乾燥症状、年齢、味覚感度、口腔粘膜炎から影響を受け(R2=0.52, p<0.001)、50Gyの食思傾向は唾液の出にくい時間帯【朝】、口腔ケアの回数、口腔乾燥症状、味覚感度、鎮痛剤の使用、口腔粘膜炎から影響を受けることが明らかとなった(R2=0.62, p<0.001)。この結果をもとにオーラルアセスメントツールを構成する質問項骨を検討するため構造方程式モデリングを行ったところ、味覚感度に関する6項目、口腔内乾燥症状に関する5項骨、口腔粘膜炎に関する5項骨、喫煙に関する3項目、年齢に関する2項目、口腔ケアに関する3項目、唾液分泌量の日内変動に関する2項目、鎮痛剤の使用に関する2項目の8次元、28項目からなる5段階評価スケールを作成した。これらの成果を踏まえ、平成21年度は放射線治療を受ける口腔癌患者200名程度を対象として、患者の食思傾向を判断するオーラルアセスメントツールを作成し、信頼性・妥当性を検証していく。
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