2010 Fiscal Year Annual Research Report
がん臨床試験に参加する患者のセルフ・アセスメント能力向上のための教育用ツール開発
Project/Area Number |
20791718
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
高山 京子 兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (30461172)
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Keywords | がん看護 / 臨床試験 / 化学療法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、がん臨床試験に参加する外来患者が、症状の変化や関心事項を自ら記載する「セルフ・アセスメントノート」の考案・開発である。<今年度実施の成果>1.昨年度に原案作成した「セルフ・アセスメントノート」のプレテストとして、同意の得られたがん臨床試験患者5名に1週間の使用を依頼し、記載方法や項目理解の患者評価について面接調査を実施した。その結果、追加・修正事項が必要となる内容はなかったため、原案のままとした。2.がん臨床試験に参加する外来患者に考案した「セルフ・アセスメントノート」の活用を目的として、同意の得られたがん臨床試験に参加する患者10名に適用し、以下を実施した。(1)2コース間ノートへの記載を依頼、(2)各コース終了時に記載及び活用状況を確認するための面談実施、(3)各コース終了時に質問紙調査の実施、(4)研究終了時にノートの内容及び活用評価の面接調査実施。3.有効評価対象8名の適用結果は以下である。1)症状アセスメントは傾向として、1コース目<2コース目で自己評価が高かった。また、外来で医療者に症状を伝えること及びノートの活用状況は傾向として、1コース目>2コース目で自己評価が高かった。2)活用評価の内容は3つに分類された。自分め症状記録を持つことの安心、自分の経過の中にある潜在する回復力への気づき、等を含む【自宅で症状に対処するためのノート活用】。外来診察時のコミュニケーション促進ツールとしての活用、自宅での経過を踏まえた教育におけるノート有効活用の可能性、を含む【外来の場におけるノート活用】。ノートの活用なしで対処が可能、を含む【ノート活用状況の選択】。4.考察・課題:「セルフ・アセスメントノート」の活用は有用であると言えるが、症状のセルフアセスメント能力を強化する必要がある。ノートの記載を動機付げる教育及び外来受診時に医療者が患者と共に活用する外来の体制作りが課題である。
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