2008 Fiscal Year Annual Research Report
病児・障害児を含めた家族の健康支援の評価に役立つ測定用具の開発
Project/Area Number |
20791723
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村山 志保 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 助教 (20361462)
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Keywords | 家族 / 病児 / 障害児 |
Research Abstract |
「病児・障害児を含めた家族の健康」の概念分析の理論的段階として、関連する論文および書籍を収集し、文献検討を行なった。文献レビューの目的は、学際的な視野からこのような家族の「健康」の定義を詳細に検討することとし、論文検索にあたっては「小児」と「家族の健康」をキーワードに1997年から現在までに発表されたもの検索をした。 検討した論文において、児の抱える健康問題は慢性疾患が大半を占め、児本人の療養や育児に関して家旗が抱える問題のみに着目したもの、児以外の家族成員の健康問題のみに着目したもの、およびその両方に着目したものが存在した。 すでに行なわれている家族の健康支援の評価について発表された論文は小数であり、入院中の病児の家族を対象にFFFS(Feetham Family Functioning Survey)を用いて家族機能を測定することで支援の評価を試みたものなどが認められた。 以上より、「病児・障害児を含めた家族の健康」に関してこれまでに行なわれた研究では、慢性疾患児とその家族に関するものが多く、このような家族の「健康」概念について明確に示唆するものは少なく、また、家族の健康支援の評価を試みたものも非常に少ないことが明らかになった。 書籍については今後も検討を続ける予定である。 今後は、「病児・障害児を含めた家族の健康」の作業定義を提示し、さらに、このような家族自身や、小児保健医療に携わる医療従事者を対象とした観察調査・面接により質的データを収集し定義の洗練を図り、測定用具の検討につなげる予定である。
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