2010 Fiscal Year Annual Research Report
初妊婦と実母との関係性に関する研究-初妊婦の母親役割取得における実母の影響-
Project/Area Number |
20791725
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
岡山 久代 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90335050)
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Keywords | 初妊婦 / 実母 / 母娘関係 / 母親役割 |
Research Abstract |
1.実母がとらえる初妊婦との関係性尺度の開発 1)仮尺度の作成 ●前年度に行った質的研究のからモデルから、下位尺度および尺度項目を検討した。 ●尺度項目は、まず63項日を作成し、内容妥当性の検討とプレテスト後に59項目とした。 2)信頼性・妥当性の検討(データは下記の質問紙調査のデータを用いた) ●尺度の信頼性は、内的一貫性による信頼性により分析した。 ●因子分析による構成概念妥当性の検討、娘との親密性・依存的関係(北村)、General Health Questionnaire 12項目版との関連性から併存妥当性の検討を行った。最終的な尺度は、次年度に公表予定である。 2.初妊婦の母親役割取得における実母の影響の検討 1)調査の概要 ●滋賀県下の9カ所の産科施設で出産予定の初妊婦と実母を対象に、横断的デザインによる質問紙調査を実施した。各施設にて妊婦の調査を行い、実母に対しては妊婦を通じて調査票を配布し、郵送にて回収した。 ●調査内容は、Primigravida-Mother Relationship Scale(岡山ら)、夫婦愛情尺度(菅原ら)、日本語版エジンバラ産後うつ病自己評価票(岡野ら)、および作成した仮尺度とした。 2)結果の概要 ●妊婦434名(有効回答率95.8%)と実母388名(有効回収率85.7%,有効回答率89.7%)から回答を得た。 ●初妊婦の妊娠期適応に対して、妊娠初期には抑うつ、中期には抑うつと夫への愛情、末期には抑うつと実母からの自立性が有意な影響要因であることが明らかになった。 ●実母の7割が孫育てに講座に興味を持ち、現代の育児に不安を感じながらも、娘の育児に積極的に関わろうとする意欲が示された。
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