2008 Fiscal Year Annual Research Report
死産体験後に、妊娠・出産する女性への看護支援に関する基礎的研究
Project/Area Number |
20791731
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
木地谷 祐子 Iwate Prefectural University, 看護学部, 助手 (60468113)
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Keywords | 看護学 / 死産 / 妊娠 / 悲嘆 / 家族 |
Research Abstract |
【目的】死産、新生児死亡で子どもを亡くした母親たちの「次の妊娠」における妊娠・出産体験を明らかにする。 【対象と方法】研究デザインは、質的帰納的研究である。妊娠中期以降に、死産を経験した母親4名と新生児死亡を経験した母親1名の計5名を対象に、半構成的面接法によりデータを収集。母親の気持ちに焦点を当てて該当する文脈を抽出し、カテゴリーとして整理した。調査期間は2009年1月〜2月。尚、本調査は岩手県立大学大学院看護学研究科倫理審査委員会の承認を得た計画書に基づき実施した。【結果】5名の母親たちの喪失からの経過期間は2年7カ月から9年11カ月であった。死亡原因は胎児側の要因が2名で、胎児水腫、染色体異常であった。母体側の要因は2名で、子宮頸管無力症、子宮破裂であった。胎児付属器側の要因は1名で、常位胎盤早期剥離であった。喪失時の初経産の有無は、初産婦1名、経産婦4名で、居住地は全員東北地方であった。母親たちは「次の妊娠」後も、常に我が子を失ってしまうのではないかという恐怖と不安に苛まれていた。そして、無事に次子を出産した後も、予期せぬ喪失に対する恐怖に襲われていた。その揺れ動く様相は、家族や友人、出来事など身近な事柄から影響を受けていた。そのような中、直面した出来事を自分なりに意味づけし、次子の出産を通して亡くなった我が子の「命の意味」を見出していた。【結論】母親たちは、次子の妊娠・出産体験を通して、直面した出来事を自分なりに意味づけし、亡くなった子の「命の意味」を見出していた。
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Research Products
(1 results)