2009 Fiscal Year Annual Research Report
死産体験後に、妊娠・出産する女性への看護支援に関する基礎的研究
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20791731
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
木地谷 祐子 Iwate Prefectural University, 看護学部, 助手 (60468113)
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Keywords | 看護学 / 死産 / 妊娠 / 悲嘆 / 家族 |
Research Abstract |
【目的】死産体験後の女性の妊娠・出産に関わる、看護者の対応の現状について把握する。【対象と方法】研究デザインは、質的帰納的研究である。分娩を取り扱っている産科医療施設に勤務する助産師7名を対象に、半構成的面接法によりデータを収集。助産師の気持ちに焦点を当てて該当する文脈を抽出し、質的帰納的に分析した。調査期間は2010年2月~3月。尚、本調査は岩手県立大学研究倫理審査の承認を得た計画書に基づき実施した。【結果及び考察】助産師は死産後、次子の妊娠・出産に臨む母親に接するときに、死産体験に触れていいのか、良くないのかという母親の心理面を把握できないことによる戸惑い、自身の母親への関わりに対する自信のなさ、今回の妊娠・出産が順調に経過すると確約できない不確かさから、母親へ関わることに対し強い緊張とストレスを感じていた。このように、助産師自身もケアについて悩み、葛藤しながら母親と向き合っている実態が明らかとなった。その一方で、助産師は母親の気持ちに寄り添いたいという想いを持ち、母親がニーズを表出しやすい雰囲気作りや声かけを心がけていた。また、過去に死産体験があるという事実を認識したうえで、現在の経過に目を向け、今回の妊娠・分娩経過が母子共に順調な経過をたどる様細心の注意を払っていた。今後の対応としては、(1)助産師に死産体験後、次子の妊娠・出産に臨む母親の心理的プロセス及びニーズを理解してもらう場を設ける、(2)母親をケアする助産師自身のサポート体制の構築が必要である。
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