2010 Fiscal Year Annual Research Report
母体搬送となった女性の搬送前後のストレス要因と看護ケアの取り組みについての検討
Project/Area Number |
20791734
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
西方 真弓 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90405051)
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Keywords | 母体搬送 / 周産期 / 困難さ / 助産師 / 支援 |
Research Abstract |
平成22年度における研究目的は、(1)母体搬送となった当事者の語りから搬送によって生ずるストレス要因を明らかにする(2)搬送となった当事者の立場から支援的アプローチについて検討するの、2点であった。(1)については、母体搬送となり出産に至った女性を対象に聞き取り調査を実施した。調査は2施設の周産期医療センターに搬送された女性6名を対象に、平成22年9月~23年1月に行った。当事者である女性が搬送によって生ずるストレス要因としては、〈予想と異なる展開への戸惑い〉〈自分と子どもの先行きが読めないことへの不安〉<搬送先の入院環境・医療者との新たな関係性構築への緊張感〉〈処置や説明を受ける際の待ち時間への苛立ち〉〈説明の食い違いに対する混乱〉〈妊娠生活の過ごし方への自責の念〉〈何もできずに状況を受け入れるしかない歯痒さ〉〈状況が分からないまま事態が進んでいく焦燥感〉〈描いていた妊娠経過や出産体験の喪失〉〈医療者に取り囲まれ矢継ぎ早に診察や処置が進んでいく圧迫感〉が抽出された。(1)から、突如、母体搬送という緊急性の高い状況に身を置き、自分と児の状態がつかめないまま刻々と変化する状況の中で心身共に大きなストレスを感じている様相が浮き彫りとなった。(2)については、(1)と昨年度の結果を踏まえ考察した。思いがけず母体搬送となり情緒的に混乱をきたしている当事者の心情を察した対応が求められるており、そのためには、緊急性の高い場面でも十分な情報提供を行い、本人が自分と子どものために最全の選択をしたと思える支援が必要である。場合によっては、あまりに緊急性・救急性が高いために搬送直後には行えない支援もあると予想されるが、その際は、状況を見て、継続的に支援していくことも必要である。また、昨年度までにデータ収集・分析を行った母体搬送時や搬送となった女性に関わる際に助産師が体験する困難さについては学会発表を行った。
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