2009 Fiscal Year Annual Research Report
軽度発達障害の子ども・家族への肥満対策プログラムの検討
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20791739
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
鴨下 加代 Prefectural University of Hiroshima, 保健福祉学部, 助教 (50364120)
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Keywords | 小児看護 / 小児肥満 / 発達障害 |
Research Abstract |
本研究は、学童期で発達障害をもつ中程度~高度肥満の子どもの肥満解消に向けた保健指導プログラムを立案することを目的としている。平成21年度は、平成20年度の調査で示唆を得た家族のエンパワメントを引き出すサポートシステムを整えた保健指導プログラムを作成し、2組の家族に実施し、ケーススタディを行なった。対象者は医師から紹介され肥満解消の保健指導を希望し本研究に同意した発達障害をもち肥満である学童とその保護者であった。作成した保健指導プログラムは基本的に月に1回実施し全6回のシリーズとした。その内容は、1、2回目は、子どもと家族とともにそれぞれの目標設定(健康状態の説明、生活習慣を振り返り、食事の適量と必要な運動量の確認、望ましい生活習慣の指導)をし、3回目以降は取り組み状況の確認、望ましい食事の取り方、運動習慣づくり、保護者には子どもへの関わり方などを指導し、6回目に取り組み内容を振り返り、再度目標設定をすることとした。また、毎回、身体状況(身長、体重、体脂肪率、腹囲、血圧、必要時に簡易心電図)、肥満行動促進因子であるストレスの有無などの確認を行なうこととした。また、対象ケースに診療やリハビリで関わっている小児科医師、作業療法士、言語聴覚師らと2回のカンファレンスをもち、親子間のコミュニケーションに関する指導方法、学校との調整内容などを検討しチームで関わることとした。その結果、2ケースとも2回目、3回目は順調に減少し、その後増減を繰り返し、大幅な改善とはならなかったが、6回目には初回よりは肥満度の減少がみられるという成果があった。本研究より、発達障害をもつ学童への保健指導として、一般的な肥満指導に加え、発達障害の状況、家族間のコミュニケーションの特性に考慮すること、また発達障害を専門とする医師やコメディカルスタッフ、学校などと連携した保健指導プログラムの重要性が示唆された。
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