2008 Fiscal Year Annual Research Report
緊急帝王切開分娩の母親への看護支援:教育的・精神的ケアのガイドライン開発に向けて
Project/Area Number |
20791748
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
横手 直美 Chubu University, 生命健康科学部, 助手 (10434573)
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Keywords | 帝王切開 / 母親 / 出産前教育 / 助産ケア / 精神的ケア / ガイドライン開発 / トラウマ / PTSD |
Research Abstract |
近年、帝王切開(以下、帝切)率の上昇が世界的傾向として認められており、なかでも緊急帝切分娩では分娩に起因したトラウマ体験が母子関係や次子妊娠の希望・妊娠までの期間にまで影響することが危惧されている。本研究の目的は、出産前教育および帝切後の精神的看護支援と産褥5日目の母親のトラウマの有無、PTSD症状、児に対する態度、出産満足度との関連を明らかにすることである。 平成20年度は、海外での研究視察と予備的研究を行った。研究視察では、わが国よりも帝切率が高く、産褥入院期間が半分以下(3日間)のオーストラリアの3病院にて研修を行った。現地との比較から、わが国における分娩前後の教育が経腟分娩中心で行われていること、帝切分娩に限らず産後の精神的支援が不足していることが確認された。また、オーストラリアにおける帝切分娩時の母子のケアについて見聞した結果を踏まえて、今後わが国でも妊娠中に帝切分娩に関する情報提供や出産前教育の場を提供することの重要性などを専門誌上で報告した。 さらに、生児を出産した産褥5日目の母親に対して質問紙調査を行った。その結果、対象者の約7割が分娩時になんらかのトラウマ体験をしており、分娩によるPTSDのハイリスク群は全分娩の約6%と考えられた。また、複数のトラウマが混在している褥婦のほうが産褥早期のPTSD症状が強いことが分かった。今後はこうした実態を踏まえて、選択的帝切と緊急帝切群との違いや各要因間との関連を検討していく予定である。
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Research Products
(7 results)