2009 Fiscal Year Annual Research Report
介護保険レセプトに基づく終末期にある要介護高齢者の「居所変化」に関する実証研究
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20791757
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柏木 聖代 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (80328088)
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Keywords | 介護保険 / 介護給付実績 / 死亡 / 居所変化 / 高齢者 / サービス利用 / 訪問サービス / 施設サービス |
Research Abstract |
目的:本年度は要介護高齢者の死亡月・死亡前12ヶ月間の介護保険サービス利用・居所変化の実態を明らかにすることを目的とした。2000年4月から2005年3月の某市(高齢化率21%)の介護レセプトと2000年4月1日から2005年3月31日の死亡による介護保険資格喪失者データをマージして得られた703人のうち、死亡時年齢が65歳未満の者10人を除外した693人を分析対象とした。レセプトからサービス利用実績、性別、死亡年齢、死亡月の要介護度を用いた。死亡日による偏り調整のため死亡前月と死亡当月のデータを標準化し死亡月とした。結果:死亡年齢は平均83.8±7.8歳(65-102歳)、男性81.2±7.5歳(65-100歳)、女性85.7±7.4歳(65-102歳)であった。死亡月の要介護度は、介護度5が223人(32.2%)、介護度4が134人(19.3%)、介護度1が113人(16.3%)であった。死亡月のサービス利用者は176人(25.4%)で未利用者は517人(74.6%)であった。利用パターンでは「訪問のみ」が203人(29.3%)、「施設のみ」が132人(19.1%)であった。一方で「訪問と短期入所」が21人、「通所+短期入所」17人、「訪問+通所+短期入所」18人、「訪問+施設」5人、「通所+短期入所」1人と居所変化の可能性のある者がいた。死亡前12ヶ月間では、12ヶ月間継続利用者は184人(26.6%)、利用・未利用混在者が225人(32.5%)、死亡月のみが79人(11.4%)であった。死亡前12ヶ月前と死亡月の2時点でサービス利用の変化をみた結果、12ヶ月に訪問のみ利用者203人のうち、死亡月に居所変化の可能性が高い者は「通所+短期入所」2人、「施設のみ」が1人、「居宅+通所+短期入所」1人であった。また、サービス未利用が141人(69.5%)であった。考察:サービス利用の変化から終末期にある要介護高齢者の居住変化の可能性が示唆された。死亡場所も含め、今後さらなる検討が必要である。
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Research Products
(1 results)