2010 Fiscal Year Annual Research Report
市町村に所属する中堅保健師の施策化に関わる実践能力育成プログラムの開発
Project/Area Number |
20791759
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
細谷 紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (60334182)
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Keywords | 保健師 / 施策化 / 能力育成 / 中堅 / 地方自治体 |
Research Abstract |
本研究の目的は市町村に所属する中堅保健師の施策化に関わる実践能力を育成するプログラムを開発することである。施策化の経験を有し市町村に所属する中堅保健師に対する半構成的面接調査、及び施策化に関わる能力育成の取り組みを先駆的に実践し効果を挙げている地方自治体に対する半構成的面接調査を実施し以下が明らかになった。 施策化に関わる中堅保健師に必要な能力は、施策の必要性や内容を考える思考力と施策の考案や実現を可能にする手段的技術と実行力に大別され、前者の能力が基盤となり後者の能力が加わると施策の実現が可能になる。 施策の必要性や内容を考える思考力については、対策を講じなかった時のヘルスリスクの重大性を確信する力と自律性発展性を重視した地域のシステム構築を志向する力の育成が特に重要である。これらは公衆衛生看護職としての知識及び対象の立場でものを見て感じる力、対象者の主体性を重んじる力が基盤となるため、育成は中堅期からではなく初任期から日常の個別支援及び地区活動においてOJTにより行うことが有効である。この際、保健師同士や住民との対話によって自ら学びや気づきを得るプロセスを意図的に確保することが必須である。 施策の考案や実現を可能にする手段的技術と実行力の育成には、中堅保健師が一定の責任を持つ立場で施策化を実践する機会を確保することが最も有効であり、そのためには教育的意図をもった配属・分掌が必要である。さらに、実践の過程において他者から助言指導や支援の得ることが重要であり、そのためには教育的支援的な環境の整備とともに中堅保健師自身の積極性や行動力が必要になる。中堅保健師の積極性や行動力は施策の必要性の認識に度合いに連動する。 以上を踏まえることが、市町村に所属する中堅保健師の施策化に関わる実践能力を育成するプログラムの作成において重要となる。
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Research Products
(1 results)