2008 Fiscal Year Annual Research Report
身体合併症を有する統合失調症者の地域生活を支える看護・他職種間の連携のあり方
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20791763
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河野 由理 Nagoya University, 医学部, 准教授 (50363916)
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Keywords | 精神看護 / 地域ケア / 身体合併症 |
Research Abstract |
平成20年度は、身体合併症を有する統合失調症者への地域ケアに関する国内外の先行研究について幅広く文献検討を行った。さらに、オーストラリアにおける精神障害者への地域ケアシステムに関する現状と課題について、地域ケアを行っているスタッフや管理者等から情報収集を行った。 オーストラリアのペニンシュラコミュニティメンタルヘルスサービスで行われているヘルスケアモデルについて情報収集を行い、地域ケアスタッフのチームミーティングおよびケアカンファレンスに参加し、急性期の状態にある精神障害者に関する情報の共有を行い、病院の精神科スタッフとの連携のあり方、および地域で生活している精神障害者へのケアのあり方、他職種協働についての検討とそれらのスタッフへの影響について情報交換を行った。初発の精神病への早期介入モデルと心理教育の実際、児童虐待に関連した児童保護チームの活動について地域ケアスタッフへの教育内容と連携のあり方について、また高齢者のメンタルヘルスチームが行っている対象者の精神症状および身体合併症とそれらに基づく心身の機能およびセルフケアの状況などのアセスメント、ケアの特徴、ならびにケアシステムの現状と課題について情報交換を行った。若年者を対象としたメンタルヘルスケアシステムの概要とそこで行われている相談、教育、就労支援のあり方などについて、また地域の精神障害者を対象とした居住型施設における入所者の特徴とケアのあり方、精神科急性期病棟や地域ケアとの連携について、さらに精神科病棟の機能とリエゾンチームの活動の現状と課題などについて情報交換を行った。以上を通して得られたオーストラリアにおける地域で生活する精神障害者へのケアシステムの現状と課題、地域ケアチームの中における看護職などの専門職スタッフへの支援のあり方などについて幅広い知見を得た。
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