2010 Fiscal Year Annual Research Report
高齢一卵性双生児における生活機能低下のペア内差異と成因の解明
Project/Area Number |
20791765
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西原 玲子 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10452434)
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Keywords | 生活機能 / ADL / 高齢者 / 老人 / 双生児 / 双子 / 機能低下 / 身体活動 |
Research Abstract |
【目的】高齢一卵性双生児ペアで生活機能の程度が異なるものにおいて、どのような生活習慣が関連しているのかを明らかにすることを目的とした。【方法】平成20年度の調査で主たる質問項目である老研式活動能力指標に回答した65歳以上の双生児628人を分析対象とした。ペアの両人が分析対象となったものは462人(231組)であった。男性は473人、女性は155人であった。生活機能は老研式活動能力指標を用いて評価し、老研式活動能力指標の少なくとも一項目ができないと回答した場合に、生活機能障害ありと判定した。双生児ペア両人ともが回答している対象者において、ペアの一方が生活機能障害あり、もう一方が障害なしとなる不一致ペアを対象にペアリングを行い、ケースコントロール研究を行った。双生児ペアは必ず同年齢であり、遺伝的背景もある程度統一されており、幼少期の家庭環境も同じであると推定されるため、ペアリングを行うことでより適確にリスク要因を調査できる。統計手法として条件付きロジスティック回帰分析を用いた。リスク要因としては現在治療中の疾患、視覚障害、運動習慣、喫煙習慣、飲酒習慣、Body Mass Index等ついて調べた。同様に、生活機能とそのリスク要因に関する質問紙を、今年度についても配布し調査を行った。2010年の調査では、671人から回答があった。【結果と考察】週3回以上運動していること(オッズ比=0.15、95%信頼区間= 0.03-0.64、p=0.011)が生活機能障害が無いことと関連していた。週3回以上の運動習慣が有るものでは無いものと比較し、生活機能障害となるリスクが0.15倍低いことが示された。その他の変数について有意な関連はみられなかった。これまで、国内の双生児を対象に生活機能と関連のあるリスク因子を調査した研究はほとんどなく、今回の研究は生活機能維持のための新たなエビデンスと成り得ると考えられた。今後も縦断的にデータの解析を行っていく。
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