2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791767
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
大えき 美樹 Tottori University, 医学部, 助教 (70403392)
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Keywords | 老年期 / がん患者 / 他者への負担感 / QOL |
Research Abstract |
本研究の目的は、1点目に、「他者への負担感尺度」であるSelf-perceived Burden Scale(以下、SPBSとする)日本語版を作成し、日本人がん患者を対象とした信頼性と妥当性を検討することである。2点目は、老年期がん患者が感じる他者への負担感とQOLとの関係について検討することである。平成20年度の目標は、1、SPBSの日本語版の作成、2、質問紙の作成、3、質問紙の試用、4、質問紙の修正、であった。 SPBS日本語版の作成については、原作者に日本語作成の許可を得て、日本語へのトランスレーション、トランスレーションの統一と質の評価、バックトランスレーションの手順を経た。質問紙の内容は、基礎情報、SPBS日本語版尺度、QOL尺度として、がん特異的尺度FACT-Spを用いた(開発元への登録済み)。予備調査前に質問紙の内容的妥当性を高めるために、がん医療に携わる医師2名と、看護師3名に協力を得て質問項目の修正を行った。SPBSはスコアが高値ほど他者への負担感が大きいことを示し、FACT-Spは4つのサブスケールのスコアを合計した総スコアの高値ほどQOLは良好となる。予備調査として、質問紙の回答を外来治療中のがん患者に実施し答えにくさなどの確認を行った。予備調査の結果は、SPBS平均スコアは44.3点、QOL平均スコアは93.7点であった。なお、SPBSスコアが高値であれば、QOLスコアは低値となる傾向にあり、他者への負担感ががん患者のQOLに影響しているといった可能性を見出していた。現在、本調査に向けて協力施設と調整を行っており、平成21年度は、作成した質問紙を用いた本調査を実施する予定である。
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