2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症予備軍女性の身体組成変化が骨密度に及ぼす影響に関する縦断的研究
Project/Area Number |
20791772
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
有松 操 Kumamoto University, 大学院・生命科学研究部, 助教 (50289659)
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Keywords | 低骨密度 / 追跡調査 / 腰椎 / 身体組成 |
Research Abstract |
本研究は、骨密度に身体組成や妊娠・出産といった経験、生活習慣などの変化がどのような影響を及ぼしているかを明らかにすることを目的とした追跡調査である。調査は、熊本大学大学院医学薬学研究部等倫理委員会の承認を得た後に開始した。本研究の対象者は、1994~1999年の間に実施された前腕部骨密度測定の結果が基準値以下を示した、骨粗鬆症発症のリスクが高いと考えられる女性である。 今年度は、昨年度研究協力の依頼に対して都合がつかなかった者に再度研究協力の依頼を行い、新たに研究への同意と参加が得られた11名について昨年度と同様の調査(骨密度及び身体組成の測定、血液検査、栄養及び生活習慣の調査)を行った。調査の結果、参加者の腰椎骨密度は平均値では-4.4%減少しており、左上肢については平均値で6.2%増加していた。初回検査時の年齢別にみると、当時20歳代の女性は骨密度の減少は見られなかった。30~34歳および35~40歳では腰椎骨密度がそれぞれ平均値で-2.4%、-7.3%と減少がみられたが、全身やその他の部位の変化はみられなかった。このことから骨密度の加齢による変化は部位によって違いがあることが示唆された。また、閉経を迎えた女性では骨密度の減少が著明であり、この結果は閉経期女性を対象としたこれまでの結果と一致していた。さらに、対象者個々の11年間の変化については個人差が大きかったことから、栄養や運動といった生活習慣の違いによって生じる体格、身体組成の違いが骨密度の変化に影響を及ぼしていると考えられる。来年度は、さらに骨密度と身体組成の変化との関連に統計的な分析をすすめていく。
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