2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症予備軍女性の身体組成変化が骨密度に及ぼす影響に関する縦断的研究
Project/Area Number |
20791772
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
有松 操 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (50289659)
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Keywords | 低骨密度 / 追跡調査 / 腰椎 / 身体組成 |
Research Abstract |
本研究は、骨密度に身体組成や妊娠・出産といった経験、生活習慣などの変化がどのような影響を及ぼしているかを明らかにすることを目的とした追跡調査である。本研究の対象者は、1994~1999年の間に実施された前腕部骨密度測定の結果が基準値以下を示した女性である。 今年度は、これまでに調査に参加した対象者62名のデータを集計し、体格と骨密度の変化の関連について分析を行った。62名のうち、婦人科疾患および骨密度に影響を及ぼすと考えられる薬品使用の経験者であった14名を除いた48名について分析を行った。対象者の年齢は45.8±4.1歳、身長157.3±5.2cm、体重51.5±7.5kg、BMI20.8±2.7kg/m^2であった。追跡期間中に4名が閉経を迎えていたことから、閉経前後に分けて分析した結果、腰椎骨密度年間変化率は閉経前および閉経後のいずれも減少しており、特に閉経後は-1.2±0.5%と閉経前の女性の変化-0.3%前後に比べ減少が大きかった。一方、左上肢は閉経前及び閉経後の女性いずれも年間0.3~0.8%増加しており、左下肢は閉経前の女性は変化していなかったが閉経後の女性は減少していており、部位によって変化に違いがみられた。腰椎年間変化率と身長年間変化率は負の相関(r=-0.31, P<0.05)、BMI年間変化率は正の相関(r=0.32, p<0.05)を示した。さらにBMI年間変化率を四分位により3群に分け骨密度年間変化率に違いがあるか検討を行った。左上肢はいずれの群でも増加を示したが、腰椎および左下肢ではBMI年間変化率が低い方が骨密度の減少を示していた。これらのことから、腰椎骨密度の変化にはBMIの増加が関連しているが、その影響は部位によって違いがあることが示唆された。
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