2008 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者が高齢者を支える活力ある地域づくりに関する研究
Project/Area Number |
20791773
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
蒲原 真澄 University of Miyazaki, 医学部, 助教 (00468026)
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Keywords | 高齢者 / 地域 |
Research Abstract |
高齢者を高齢者の生活の支え手として、地域資源の一つにしていくためには、まず「支え手になろうとする高齢者」の社会的、身体的、精神的、経済的なニーズを明らかにし、そのニーズを満たしていく必要があると考えた。平成20年8月にA市で社会活動を行っている60歳以上の高齢者を対象に、社会活動へのきっかけや継続の実態、生活の質(QOL)、また社会活動と健康づくりとの関連について明らかにし、地域において高齢者が高齢社会を支えるマンパワーについて検討するため自己記入式質問紙調査を実施した。 その結果、社会活動の継続について、活動を通して自分に良い変化があるということが、社会活動に参加している高齢者の生活の質の向上に影響していることが明らかとなった。また、社会活動に参加している高齢者が、活動の継続のために最も必要であると感じているものには「健康」、「人間関係」、「体力」、「楽しむこと」などがあり、社会的要因としては、経済状況と相談相手が配偶者、近所の人との付き合いが生活の質に関連していることが明らかとなった。これらの高齢者は身体的健康を健康観としてもっており、さらに自らの健康状態について考えるとき、身体的状態から考えていることが明らかになった。 高齢者が社会活動を継続することは、高齢者の活動能力を維持し、豊富な経験や知識を活かして地域社会を支える力にもなると考えられる。高齢者が満足感を持って地域活動をおこなえるような地域づくりを積極的に行うことが、高齢者の健康だけでなく生き生きとした地域社会の構築にもつながっていくと考えられる。しかし、高齢者の主観的健康には身体的な健康が影響しており、身体的健康を保持することが高齢者が高齢者を支える地域づくりには必要であると思われる。今後は地域で生活する高齢者の運動機能をアセスメントし、身体的健康の保持、増進に必要な支援内容を検討する必要がある。
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