2010 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者が高齢者を支える活力ある地域づくりに関する研究
Project/Area Number |
20791773
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
蒲原 真澄 宮崎大学, 医学部, 助教 (00468026)
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Keywords | ロコモティブシンドローム / 介護予防 / 健康づくり / 地域 / 高齢者 |
Research Abstract |
2007年日本整形外科学会は運動器の障害のために要介護とその危険性の高い状態をロコモティブシンドロームと称し、メタボリックシンドロームと並ぶ深刻な社会問題として、運動器の健康の重要性を提唱している。ここ10年間で地域住民が地域にある施設を利用しながら、運動・スポーツや運動に取り組めるように環境が整えられてきており、運動に取り組む住民も増加している。そのため、地域住民の運動器の健康に対する認識を高め、安全で継続的な健康づくりの支援について検討したいと考えた。そこで今回、総合型地域スポーツクラブにて自主的に運動に取り組んでいる40歳以上の地域住民を対象に、ロコモの実態、ロコモと健康状況、運動器の障害との関連について明らかにし、地域で生活する人が、生涯を通じて楽しく、安全に運動やスポーツを継続して取り組むことができるための支援について検討を行った。その結果、ロコモティブシンドロームと健康状態との関連では、糖尿病の有無、運動器の痛みの有無、腰痛の有無との間に有意な関連がみられた。自主的に運動・スポーツを楽しむ場においては、様々な健康レベルの人がいるため、定期的に健康チェックを行い、自身の健康管理ができるよう支援していくことが重要である。看護職は地域の中の健康な人から疾病を持つ人まで幅広い対象に関わることができ、また、健康づくりから治療・回復に至るまで様々な目的で運動を実践している人と関わっていくことができる職種である。地域住民同士の運動実践の輪が広がり、運動を継続していくことは、生涯スポーツの振興につながり、ひいては健康寿命の延伸につながると考える。今後、総合型クラブのように、誰もが身近で運動・スポーツを楽しめる場において、看護職が積極的に関わり、安全かつ安心して健康づくりができるよう支援していく必要があることが示唆された。
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