2009 Fiscal Year Annual Research Report
アクションリサーチによるサモアの児童の肥満予防教育プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
20791786
|
Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
御子柴 裕子 長野県看護大学, 看護学部, 講師 (00315847)
|
Keywords | 児童 / 肥満 / 健康教育 / サモア / アクションリサーチ |
Research Abstract |
1.サモア南方沖地震・津波災害による影響に関する調査 2009年9月に発生したサモア南方沖地震による被災地の状況を把握し、今後の研究の見通しを立てるために、発生1か月後の10月にサモアを訪問して、被災地域の視察および現地住民や看護・教育職者らとの面接、文書等の資料収集を行った。甚大な津波被害を受けた地域では、村が全滅し、集団避難した人々は山間部の高地に移住して新しい生活を始めていた。生活の基盤を失ったことによる直接的・間接的な問題の発生が時間の経過と共に予測された。子どもたちにも細菌性皮膚炎や下痢、口の周りのただれなどがみられていた。看護職者や教育職者も通常業務に加え生活の再建・復興にも追われて多忙を極めており、本研究の実施にはしばらくの時間を要することが明らかとなった。 2.児童の健康およびライフスタイルに関する調査(Baseline Survey) サモアでの調査実施が困難な状況であるため、比較対照群として2010年7~9月に日本のN県K市内の全小学校の5・6年生672人を対象に、ライフスタイルと健康に関する質問紙調査と腹部脂肪に着目した身体検査(腹囲、臀囲、血圧、超音波による腹部脂肪分布(皮下脂肪厚および腹膜前脂肪厚)の観察等)を行った。その結果、(1)腹囲、臀囲、血圧、皮下脂肪厚および腹膜前脂肪厚の間に有意な相関がある、(2)朝食欠食傾向にある者や就寝時間が遅い者ほどBMIや腹囲の値が大きい、(3)クラスの友人と比較して食べる量が多い・食べる速さが速い・運動や体を使った遊びの時間が短い・コンピューターゲームで遊んだりテレビをみたりしている時間が長い者の方がBMI、腹囲、臀囲、血圧の値が大きいことが明らかとなった。成長期の子どもの基本的なライフスタイル(適量を規則正しく食べ、よく体を動かし、早寝早起きをする)の乱れにより、肥満や小児生活習慣病のリスクが高まることが示唆された。
|