2010 Fiscal Year Annual Research Report
アクションリサーチによるサモアの児童の肥満予防教育プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
20791786
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Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
御子柴 裕子 長野県看護大学, 看護学部, 講師 (00315847)
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Keywords | 児童 / 小学校 / 肥満 / 腹部脂肪 / アクションリサーチ |
Research Abstract |
サモアでの調査実施が困難な状況が継続していたため、当初の計画で比較対照群として設定していた日本のN県K市内の全小学校の5・6年生672人を対象に、2010年7~9月にパイロットスタディとして、ライフスタイルと健康に関する質問紙調査と腹部脂肪に着目した身体検査(腹囲、臀囲、血圧、超音波による腹部脂肪分布(腹壁皮下脂肪厚および腹膜前脂肪厚)の観察等)を実施し、血液生化学検査のデータと照合させた。 今年度は項目間の関連についての分析を進めた結果、新たに以下の示唆が得られた:(1)腹部脂肪分布に関しては、腹膜前脂肪厚は腹部肥満の指標となりうると予測していたが、肥満度の増加により腹膜前脂肪厚のみならず腹壁皮下脂肪厚も増加しており、腹壁脂肪指数との有意な関連は認められなかった。児童の肥満は内臓脂肪型ではなく皮下脂肪型である可能性が高い。(2)腹壁皮下脂肪厚および腹膜前脂肪厚は血圧との有意な関連は認められたが、中性脂肪との関連は明らかではなかった。小児期や思春期は成人期と異なり成長過程にあること、肥満に伴う脂質代謝異常の発現が一様ではないことが理由として挙げられる。(3)ボディイメージに関しては、男子も女子も、魅力や憧れを抱くのは、健康的と思うものよりも痩せているものであり、特に女子に強い傾向がみられた。とりわけ、普通の体格の児童ほど痩せているものを選ぶ傾向がみられていた。成長期にあり第二次性徴の発現もみられつつある小学校高学年の児童にとって、世間の風潮に流されることなく「健康的=素敵、なりたい」と思えるような学校教育のあり方を検討する必要がある。
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Research Products
(3 results)