2009 Fiscal Year Annual Research Report
特別養護老人ホームにおける死の看取りを含む終末期ケア体制整備への取組
Project/Area Number |
20791788
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Research Institution | Gifu College of Nursing |
Principal Investigator |
古田 さゆり Gifu College of Nursing, 看護学部, 助教 (10405136)
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Keywords | 特別養護老人ホーム / 死の看取り / 体制整備 |
Research Abstract |
特別養護老人ホームA施設で看取られた2事例はいずれも、入所者が認知症のために、家族の意向によるものであった。死の看取りケアの実践後は、遺族面接、振り返りカンファレンスを実施し、職員や家族の施設での死の看取りケアに関する感想などをもとに、看取りケアの指針・マニュアルおよびケア体制を評価し、修正・精選した。また、本取組に対する評価のために、本取組終了後、職員を対象に調査した。 実践事例について、カンファレンスの開催や看取り期の診断後における看取りケアの説明に対し家族への支援の必要性が挙がった。遺族面接による施設での看取りケアに関する感想などは、【家族へのケアも含め、看取りケアに満足感があること】【過剰な処置をせず、自然な死を迎えられたこと】などに6つに分類され、肯定的な評価として、職員の入所者に対するケアに対し満足したことが、2事例に共通していた。振り返りカンファレンスにおける看護・介護職の感想などは、【思いを共有できる場を持つことは有効であったこと】【家族の協力が得られたこと】などの13に分類された。振り返りカンファレンスで職員は、良かった体験だけでなく、辛かった体験や否定的感情を表出することができていた。以上から、本取組において、職員の役割や連携の在り方などが明確になった。また、本取組に対する職員の評価から、その人らしい看取りケアの実現を考える機会となり、今後も穏やかな看取りケアを行っていきたいや、筆者が取組に参画したことで、職員が自分たちの行っているケアの客観的評価や自信をつけることに繋がったという評価が得られた。 本取組により、職員だけでなく家族の評価も得たことで、看取りケアの指針・マニュアルおよびケア体制が精選され、また、職員の看取りケアに対する不安の軽減や穏やかな看取りケアに対する職員の意識に繋がった。
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