2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢在宅酸素療法患者に向けた教育戦略~外来教育プロトコールからのアプローチ~
Project/Area Number |
20791796
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
加藤 法子 Fukuoka Prefectural University, 看護学部, 講師 (20330699)
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Keywords | 高齢者 / 在宅酸素療法 / 外来教育 |
Research Abstract |
高齢の在宅酸素療法(以下HOT)を受ける患者が療養生活を自己管理し、望ましい生活習慣を獲得できるような外来教育方法を検証することを目的に研究に取り組んでいる。本研究では、患者の自己管理能力に着目し、自己管理能力に応じた教育をすることが患者の療養生活の自己管理行動につながるのではないかとの仮説のもと行っている。昨年度までに、外来教育プロトコール、教育評価ツールを検討してきた。今年度は、外来教育プロトコールに沿った教材の試案の作成とその評価を中心に行い、患者教育の実施に向けた準備を行った。教育媒体については、視聴覚教材、パンフレットの作成を予定していたが、対象者の特性や費用、時間等の問題から、一般化しにくいことなどから、パンフレットを主な教育媒体とすることとした。教材は、文献や資料、これまでの研究結果に基づいて、自己管理に必要な基礎的知識や日常生活を中心とした自己管理の方法等について、自己管理能力に合わせた教材を作成した。作成に当たっては、対象の特性を考慮し、情報量や範囲、正確性、論理性などを吟味した上で作成した。また、HOT患者特有の症状に応じて教材を選択できるように工夫した。教材については、専門家からの意見をもらった。さらに、7名の高齢者から理解度、活用のしやすさ、見易さなどの視点からの評価を得、教材を修正し、精度を高めた。次に、自己管理能力の異なる肺疾患のある高齢者2名に対して外来教育プロトコールを用いてプレテストを実施し、教育方法、教育内容、についてのインタビュー調査を行った。その結果、自己管理能力に応じた教育方法の有用性が示唆された。しかし、教育内容については、具現化できるようなより具体的な教育内容を検討する必要があること、より詳細なニーズを把握する必要があることなどのいくつかの課題も明らかとなった。今後は、教育内容の再検討を行い、外来教育プロトコールの一般化に向けた検証を進めていく予定である。
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