2009 Fiscal Year Annual Research Report
在宅乾癬患者のQOLと療養支援プロトコールに関する研究
Project/Area Number |
20791799
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Research Institution | Gumma Paz College |
Principal Investigator |
馬醫 世志子 Gumma Paz College, 保健科学部, 助教 (10458474)
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Keywords | 看護学 / 社会医学 |
Research Abstract |
乾癬患者のQOLを低下させる社会生活上の問題を明らかにし、乾癬患者用の療養支援プロトコールを作成するため、アンケート調査と面接調査を行った。その結果、以下の内容が社会生活上の問題として明らかとなった。【仕事】仕事内容の変更や解雇【学業】自尊心低下、スポーツ活動困難、いじめ【人間関係】人間関係悪化、引きこもり、人間不信【恋愛/結婚】恋愛/結婚のあきらめ、夫婦関係悪化【その他】通院治療や落屑の清掃、皮膚を掻く時間等に時間がとられる、衣服の選択制限、食事制限、経済的困難。 これらの社会生活上の問題に対して、多くの患者は医療者に相談することはなく、仕方がないとあきらめ放置するか、民間療法も含めた対処法を試みていた。また、面接調査では、受診した際に医療者から軟膏の塗布状況や生活状況を聞かれることはほぼなく、全身の皮膚状態を診ることもないというケースが多くみられた。乾癬は完治しない病気であるから、と治療を断念すること、医療不信から民間療法のみに頼ること等で寛解するはずの乾癬が寛解しない場合もあり、患者の療養を支援する役割である看護師のかかわりは重要である。この結果を踏まえ、忙しい現場でも乾癬患者の療養を支援できるようなかかわりを看護師が持てるよう、セルフケア状況や生活状況を簡易に記入できる乾癬患者用アセスメントシートを作成した。今後、このアセスメントシートを医療機関で使用し、乾癬患者の療養支援に対する効果を検討していく予定である。
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