2008 Fiscal Year Annual Research Report
回想法のケアスタッフへの効果 ~回想法実践能力の向上を目指して~
Project/Area Number |
20791800
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
内野 聖子 Saitama Medical University, 保健医療学部, 講師 (00348096)
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Keywords | グループ回想法 / ケアスタッフ / 継続的実施 / 回想法実践能力 / 認知症ケア |
Research Abstract |
本研究では研究目的が2点あり、(1)回想法実施体験者へ個別インタビューを行うことによって回想法実施体験を通じてもたらされた高齢者ケアへの変化、その変化に関連する要因を明らかにすること、(2)回想法熟練実施者に対してグループインタビューを実施することによって回想法実践能力指標を作成することである。本研究結果により、回想法を実施することが高齢者ケアに変化をもたらすことを明らかにし、そのことが医療保健福祉職の仕事への満足度向上、ストレス緩和や離職率低下への示唆を得ることができると考えている。 平成20年度は、1点目の研究目的に沿って進めた。(1)回想法トレーナー養成講座を受講している、(2)高齢者福祉施設で勤務している、(3)グループ回想法を4回以上実施したことがあるという3点の選定条件を満たすケアスタッフに個別インタビューを行った。対象者の選定条件に適合していたのは23人であり、インタビューをした結果を現在まとめている。年齢は30歳代が10名と最も多く、ついで20歳代が6名、50歳代5名と続き、性別は男性4名、女性19名であった。勤務場所は特養が4名、グループホームが19名であった。インタビュー時間は31分から79分で、平均インタビュー時間は50.6分であった。インタビューでは、グループ回想法を実施したケアスタッフは回想法に参加する中で高齢者の意外な一面をかいま見たり、自分自身の高齢者の関わり方の変化に気づいたり、回想法を実施したことが仕事上の変化や自身のあり方にも影響があったことを語っている。 本研究結果は平成21年度以降に学会発表や学会誌へ投稿する予定である。
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