2010 Fiscal Year Annual Research Report
『生きるための心の教育(性教育)』を用いた若年層の性問題予防地域システムの開発
Project/Area Number |
20791805
|
Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
渡會 睦子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 准教授 (50360003)
|
Keywords | 性教育 / 人工妊娠中絶 / 対策 / 性感染症 / 予防 / 若年層 / 心の教育 / 教育委員会 |
Research Abstract |
本研究では、福島県、これまでの山形県での実績・効果分析により、性問題予防地域システムを開発することを目的としている。また、これまでの研究結果も併せて性問題予防地域システム案を作成し、実現可能な『生きるための心の教育(性教育)』を用いた若年層の性問題予防地域システムを開発することを目的としており、下記の研究を進めた。 系統的・継続的性(命の)教育実践のため、県・市町村教育委員会・教師・保護者・地域と連携し、小中高等学校各学年用の性(命の)教育プログラムとPowerPoint教材である「生きるための心の教育:性教育」を作成し、県単位での小・中・高等学校各学年の各発達段階に応じた系統的・継続的なPowerPoint性教育教材の作成・配布・教育・指導のシステム化を実践した。 これらを「生きるための心の教育:性教育」教材・システムの導入県である山形県と福島県を対象とし効果を測定した。小学校から高等学校までの性教育効果が表れる指標として、15歳以上20歳未満の人工妊娠中絶率(年齢階層別女子人口千人対)と性感染症である性器クラミジア感染症の定点あたり報告数に焦点を当て、性教育教材・システムの導入前後の比較を行った。山形県では1999年から取り組んできたが、2001年から性に関する知識・意識・経験等の現状調査を開始し、2003年に山形市教育委員会が教材・システムを導入し、2005年に全県下での導入が行われた。その結果、人工妊娠中絶率を2000年18.3全国6位から2008年5.0全国44位と約1/3に、性器クラミジア感染症を2000年8.8から2007年1.5と約1/6に減少させることに成功した。福島県においても同様に2006年より導入い、人工妊娠中絶率を2005年13.3全国4位から2008年8.6全国15位に低下させ、性問題予防地域システムが効果を示すことが明らかになった。
|
Research Products
(4 results)