2008 Fiscal Year Annual Research Report
高齢透析者のセルフケアに影響を及ぼす要因-量的および質的アプローチから-
Project/Area Number |
20791806
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
清水 由美子 Niigata University of Health and Welfare, 健康科学部, 講師 (30328330)
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Keywords | セルフケア / 透析 / 高齢者 |
Research Abstract |
透析療法を受けている者にとって、水分制限や食事管理等のセルフケアは、生命や身体機能を維持する上で治療と同様に重要となるものである。本研究は、近年増加している高齢透析者に焦点をあて、日常生活におけるセルフケアへの取り組みとその影響要因について量的および質的アプローチを用いて明らかにしようとするものである。本年度は、質的アプローチとして当事者の視点からセルフケアに関する様々な取り組みをとらえ、高齢透析者のセルフケア獲得プロセスと構造を明らかにすることを目的とし、医療機関で通院透析を受けている65歳以上の高齢者17人(男性11人、女性6人)に対し、半構造的なインタビュー調査を実施した。対象者は年齢が66〜86歳で、75歳以上の者が7人おり、透析年数は1年未満〜26年であった。なお、医療機関よりセルフケアに関する客観的なデータとして体重や臨床検査データ、合併症等に関する情報を得た。インタビュー内容を逐語録に起こし、現在分析を行っているところであるが、対象者全員より何らかのセルフケアを実施していることが語られ、体重コントロール不良時の透析の苦しさや疲労感の増大等の身体感覚や客観的なデータを判断材料にしながら生活の振り返りと自己分析、自分にあったセルフケア方法に関する試行錯誤が行われ、納得と発見のプロセスを経て自分なりのセルフケアを取り入れていることが語られた。しかし、後期高齢者ほど客観的なデータとセルフケアへの取り組みに対する自己評価とのズレも見られることから、高齢者層の内部差を分析の軸に加え、セルフケアへの影響要因もあわせて、今後詳細な分析を進めていく。
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