Research Abstract |
平成21年度は,ホームレス者のピアサポートグループの構築に向けて,介入プログラムを作成し,その研究的評価に関する計画書を作成した.12回を1クールとして,定期的に自主活動を取り入れたプログラムを作成し,評価のための調査表や評価計画を作成した.それらの計画書を基に,グループ構築に向けて,さまざまな機関(NPO,医療機関,訪問看護ステーション等)や他職種(医師,看護師,ケースワーカー,臨床検査技師等)と調整を図っている段階である.それらの調整から,月に1回の健康相談を行い,顔見知りになった段階で,グループメンバーを募るほうがよいと考え,平成22年3月から月に1回の健康相談を開始した.今後は,調整内容を蓄積し,グループ構築の方法について考察する予定である.現在,あいりん地域の特殊性もあり,当初の計画よりは半年ほど遅れて,計画が進捗している状況である.グループ支援のために,ソーシャルサポートと健康管理意識との関連を見ている.平成20年度からのデータでは,ホームレス状態であるものがそうでないものと比べて結核検診の受診割合が多かった.これは,市の結核検診がホームレス者を対象に実施されていることを反映した結果と考えられる.また,ソーシャルサポートの得点では,飲酒しているものや食事回数が多いものほど得点が高かった,これは,サポートがあるから飲酒や食事回数が多いとも考えられるが,経済状況とも関連していると考えられ,居住形態などを考慮した分析を行っている.
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