2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20800012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 一帆 Nara Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 助教 (10506744)
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Keywords | ベイズ推定 / 変分ベイズ法 / 局所変分近似 / 混合モデル / 変動二項過程 / 情報幾何 / 階層ベイズ法 |
Research Abstract |
高次元データの次元圧縮とクラスタリングの同時最適化のために、制約つき指数型分布族の混合モデルに対する変分ベイズ法による学習アルゴリズムを導出した。人工データ及び手書き数字認識の実データを用いた数値実験により、手法の有効性を検証し論文誌に発表した。 また、平滑化事前分布を用いた変動ポアソン過程及び変動ベルヌーイ過程の推定について、ベイズ推定を厳密に行うための転送行列法、及び事後確率最大化のための逐次最適化法を導出し論文を発表した。これらのモデルは神経科学におけるスパイク系列を含む、あるイベントの発生を表す系列からイベントの発生率を推定するモデルとして用いられている。しかしながら、ベイズ事後分布を解析的に計算することができないため、高速な計算には近似法が有効である。上記の手法は厳密計算を行うものであり、近似法の評価に用いることができる。実際に、同様のモデルに対する近似推定法を局所変分近似により導出しており、厳密計算との比較による近似精度の評価を行っている。 局所変分近似による事後分布の近似では、周辺尤度の上界及び下界が目的関数となるが、これらを近似事後分布と真の事後分布間の情報量と関係付け、近似事後分布が分布間の情報量を最小化する分布の近似を与えていることを示した。また、上界と下界を結びつける効率的な手法を情報幾何学的考察に基づき構成した。 他の応用として近赤外光断層撮影法における線形逆問題を扱い、変分ベイズ法を用いた階層ベイズ法の近似解法において事前分布の設定が推定結果に与える影響を調べた。
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Research Products
(9 results)