2008 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内胎児外科治療のための細径多自由度屈曲マニピュレータの研究開発
Project/Area Number |
20800015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 紘正 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 助教 (00470005)
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Keywords | 機械要素 / 知能機械 / 医療・福祉 / マニピュレータ / 胎児外科 |
Research Abstract |
本研究では,特に子宮内での胎児外科手術を低侵襲に行うための細径多自由度屈曲マニピュレータの実現のため,ワイヤ駆動でもリンク駆動でもない,微細な歯車要素を用いた回転・屈曲機構の開発を進めた.今年度は屈曲機構の動作検証用として,外径5 mmのプロトタイプを設計し製作した.不用意に緩んだり分解されないよう,ねじ止めなどは極力用いず,各フレームを内部パーツと外部パーツに分離して構成し,工具を使わずに,容易に構成部品を組立てられるようにした.また,2自由度の屈曲機構は,全く同じ1自由度の屈曲機構をつなぎ合わせることができるよう設計した.歯車駆動のメインパーツとなる,屈曲フレームと同軸状に配置し回転させるフェースギヤは,モジュール0.2という微細形状であり,一体型のパーツとして製作することは非常に困難であった.そこで薄板のラック歯車としてワイヤカットしたパーツを,円柱状のパーツに巻きつけ固定するという手法を採用し,外径3.2 mm,内腿2.0 mmの剛性の高い小型フェースギヤを製作した.エンドエフェクタを搭載する部分は,様々な機能を容易に交換可能とするため中空とし,先端側からモジュール式に固定できる構造とした.マニピュレータの内部チャネル径は最大2 mmであり,高い拡張性を備えることができた.また,術者から見て最も根本側のフレームには,硬性のパイプや軟性のチューブなどを選択的に取り付けられる構造とした. 今後はプロトタイプの性能評価と,動力伝達部材の軟性化,細径化,様々なエンドエフェクタの開発を進める.得られた知見については学会や論文にて発表を行なっていく.
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