2008 Fiscal Year Annual Research Report
廃用性筋萎縮の回復過程における病態生理-放射線トレーサーによるモニタリング-
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20800021
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
稲岡 プレイアデス千春 Kanazawa University, 保健学系, 助教 (90507386)
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Keywords | 廃用性筋萎縮 / 再荷重 / 血流 / タリウム-201 / ラット / 後肢懸垂 / ヒラメ筋 |
Research Abstract |
本研究の目的は廃用性筋萎縮の予防及び治療に用いられている荷重による筋血流への効果を^<201>Tlトレーサー法で検討することである。Wistar系雄ラットを無作為に9群(n=4)に分けた:後肢懸垂直後群(U0)、後肢3週間懸垂群(U3w)、懸垂後に再荷重開始10分後群(R10m)、再荷重開始6時間後群(R6h)、再荷重開始24時間後群(R24h)、再荷重開始4日後群(R4d)、再荷重開始12日後群(R12d)、U0〜R4dの週齢に合わせたコントロール群1(C1)とR12dの週齢に合わせたコントロール群2(C2)。^<201>TlClトレーサーの腹腔投与30分後に安楽死を行い、両側の後肢筋肉群内の5つの筋:ヒラメ筋(Sol)、腓腹筋(Gas)、足低筋(Pla)、長指伸筋(EDL)、前頚骨筋(TA)を摘出し、オートウェルガンマカウンターで放射能測定を行い、オートラジオグラフィー法で筋内のタリウム集積のイメージングを得た。^<201>Tl取込率の群間比較に関しては、後肢懸垂群(U0とU3w)のSolはClのSolより有意に低かったが、EDLとTAは有意に高かった(p<0.01)。再荷重群(R10m、R6h、R24h)のSolはClとの差が無かった。オートラジオグラフィー法で得たイメージングでは後肢懸垂群(U0とU3w)のSolに^<201>Tlの集積が少なかった。比較的大きい、GasとTAには深部の^<201>Tl集積が浅部より高い傾向があり、血流も浅部より深部に多いと示唆された。^<201>Tlトレーサー法で筋血流を筋ごとに評価した結果、21日間の後肢懸垂時と再荷重時には異なった血流分布が明らかになり、再荷重は抗重力筋に対して血流の回復にとって重要な要素と考える。今後は、^<201>Tlトレーサー法はストレッチや物理療法による血流への効果の細部評価に役立つものと考えられる。
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Research Products
(2 results)