2009 Fiscal Year Annual Research Report
超偏極キセノン磁気共鳴法による新規心肺機能診断法の開発に関する研究
Project/Area Number |
20800027
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今井 宏彦 Osaka University, 薬学研究科, 特任助教 (40506466)
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Keywords | 核磁気共鳴 / 超偏極希ガス / 肺機能診断 / 呼吸機能イメージング / 生体画像 / 慢性閉塞性肺疾患 / 肺気腫 / 心肺機能 |
Research Abstract |
本研究は、超偏極キセノン(Xe-129)を用いて、完全非侵襲に、肺機能及び心機能を高感度MRI/MRS計測し、新規心肺機能評価法を確立することを目的とする。当該年度では、主に下記4項目に関する研究を実施した。 1.超偏極Xe-129生成装置に関して、偏極条件の詳細な基礎データを取得し、高性能な装置の開発を行う。 2.Xe-129MRSより得られる肺の構造や機能に関するパラメータが、病態の重症度を反映しうるか検討する。 3.UTE MRIを用いてガス相及び溶解相画像を取得し、病態を反映するパラメータの導出と局所評価を行う。 4.bSSFPとCSの併用によりMRI測定を高速化し、肺機能パラメータの導出と局所肺機能評価を行う。 上記項目に関して得られた成果を以下に示す。なお、本研究では、病態評価に関する実験において、肺気腫モデルマウスを用いた。 1.高偏極率のXe-129を高効率に連続供給できる装置開発に成功し、本研究成果を特許出願した。 2.Xe-129MRSより得られる肺胞隔壁体積/空洞容積比(V_s/V_a)が、肺気腫の重症度を反映することを見出した。また、ガス交換領域における血液通過時間の評価から、肺気腫疾患における心機能の低下を示す結果を得た。 3.V_s/V_aを反映するパラメータのマッピングが可能となり、肺気腫によるV_s/V_aの低下が局所的に評価できた。 4.自発呼吸するマウス肺において、Xe-129画像1枚あたり66msでの撮像が可能となった。これにより、ガス交換能及び換気能の局所評価が可能となり、肺気腫疾患における肺機能低下を評価できた。 近年、肺気腫を含む慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、羅患率及び死亡率の高さから早期診断法や有効な治療薬の開発が強く望まれている。本研究成果は、肺機能及び構造の局所的な評価さらに心機能評価を可能とし、肺気腫に対する種々の新規診断指標の有効性を示した。また、マウスを対象とした超偏極Xe-129MR研究の報告は非常に少ないが、マウスを対象に上記の成果が得られたことは、創薬研究においても本手法が有用なツールとなることを予期させる。
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Research Products
(9 results)