2008 Fiscal Year Annual Research Report
光ネットワーク特性を考慮した高性能光グリッド環境の構築に関する研究
Project/Area Number |
20800039
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
平田 孝志 Ehime University, 理工学研究科, 助教 (10510472)
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Keywords | 情報通信工学 / フォトニックネットワーク / グリッド / 符号理論 |
Research Abstract |
本研究は,光ネットワーク特性を考慮した高性能光グリッドの環境の構築を目的としている.光ネットワークでは一般に,データ伝送時において,伝送に使用する波長の競合が頻繁に発生するため,波長競合の解決は重要な課題の一つであり,光グリッドにおいても例外ではない.本研究では,ネットワーク内での波長競合が光グリッドの計算処理性能に与える影響について検討を行い,高性能な光グリッド環境を構築するための主要な課題を提起し,それらを解決するための手法を段階的に提案している.まず,本年度は光グリッドにおけるファイル配置法に注目した.光グリッドでは,効率的なデータ伝送を行うために,計算に使用するファイルが,複数のサーバに地理的に分散されて保存され,並列的にダウンロードされることが想定されている.本年度は,このファイル配置方法について検討を行い,ネットワークコーディングと呼ばれる符号化方式を利用し,符号化したファイルをサーバに配置することで,波長競合を効果的に回避し,並列ダウンロードの効率を高める手法を提案した.本年度はシミュレーション実験を用いて,提案手法が光グリッドにおいて効果的に波長競合を抑制することを示した.また,この研究成果を電子情報通信学会ネットワークシステム研究会において2度発表した.加えて現在,国際会議に投稿中である.今後の課題として,本年度で提案したファイル配置手法を背景に,どのサーバを選択し,どの波長を使用してデータ伝送を行うことで,より効果的に波長競合を回避できるかを検討する必要がある.
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