2009 Fiscal Year Annual Research Report
発達期皮質脊髄路シナプスの活動依存的除去とNMDA受容体サブタイプ
Project/Area Number |
20800047
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
大野 孝恵 Teikyo University, 医学部, 助教 (60508109)
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Keywords | corticospinal synapse / knockout mice / GluN2B(GluR ε 2 / NR2B) / GluN2A(GluR ε 1 / NR2A) / optical imaging / whole cell recording / heterotypic co-culture / exo utero electroporation |
Research Abstract |
in vitro皮質脊髄投射系にGluN2B(ε2)及び2A(ε1)ノックアウトマウス(grin2b^<-/->,2a^<-/->)を導入し、発生初期に見られる脊髄腹側からのシナプス除去過程が、2B特異的でかっ脊髄側の2Bに依存している事を明らかにした。その後シナプス除去の分子メカニズムを明らかにするために進めている薬理学的スクリーニング(阻害実験)で、上記過程が2Bの下流にあると考えられるCaMKII依存性であることが示唆された。 Wild type(WT)とノックアウトマウス由来のスライスを共培養するheterotypic co-cultureを作製し、以下の手法を用いて皮質WT-脊髄2b^<-/->または2a^<-/->と皮質2b^<-/->-脊髄WTとの相違を確認した。 a)皮質深層を電気刺激し脊髄灰白質よりfield EPSPを記録し、その空間分布を観察する。 b)膜電位感受性色素を用いた光学的記録にてシナプス電位の変化を捕え、その分布を観察する。 c)biocytinを用いて皮質脊髄投射線維を順行性標識し、軸索終末の分布を観察する。 d)Exo utero electroporationにて作製した皮質ニューロンが蛍光を発するマウス由来の皮質スライスを用いることにより、皮質脊髄投射線維の軸索終末の動向を生きたままで追跡する。 1)皮質WT-脊髄2b^<-/->の組み合わせではシナプス除去過程が阻害されたのに対して、皮質2b^<-/->-脊髄WTの組み合わせでは阻害されなかったことから、シナプス除去過程には脊髄側の2Bが関与していることが明らかになった。 2)皮質WT-脊髄2a^<-/->の組み合わせではシナプス除去過程が阻害されなかったことから本過程が2Bに特異的(2Aでなく2B)であることが示された。 3)培養液中にCaMKII阻害剤を添加するとシナプス除去過程が阻害されたことから、本過程にCaMKIIが関与していることが示唆された。
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