2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20800051
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
秋山 耕陽 Meiji University, 研究・知財戦略機構, 研究員 (20515142)
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Keywords | 遺伝子 / 発現制御 / 幹細胞 / 内分泌学 / 発生生物学 |
Research Abstract |
表記課題を達成するための平成21年度の期間で、下記のような実験を進めた。 (1)神経細胞に分化することが知られているレチノイン酸(RA)および神経系細胞への分化作用のあるB27を用いてホルモン産生細胞が作製できるのか試みた。まず、iPS細胞をDMEM-15%FBS LIF(-)中にて24時間浮遊培養することでEmbryoid Body(EB)を作製した。その後、EBをDMEM-15%FBS LIF(-)に10^<-7>MのRAを加えた区そして無添加の区に分け、72時間浮遊培養を行い、これらをEB4dayRA+もしくはEB4dayRA-とした。その後、これらを接着培養により分化誘導を試みた。接着培養は、DMEM FBS(-) LIF(-)中に10^<-8>M RA、1xB27と10^<-8>M RA、そして無添加の3区に分け8日間行った。解析は経時的にcDNAを作成し、ホルモン産生細胞形成に重要な遺伝子群の発現をReal-time PCR法もしくは蛍光免疫染色により調べた。その結果、下垂体においても強く発現しているNestinおよびs100が発現していることが明らかになったが、その他のホルモン産生細胞の特徴を示す遺伝子の発現は確認できなかった。 (2)口腔上皮に由来する下垂体は神経系細胞群との複雑な相互作用を経て形成される。(2)では明らかにEB4dayRA+においてNestinが強く発現していたことから神経系細胞の前駆体が含まれている一方で、EB4dayRA-では特定の分化が起きていないと考えた。そこで、EB4dayRA+とEB4dayRA-の間で起こる相互作用によりホルモン産生細胞を含む細胞群が分化誘導できるか試みた。(2)の方法に従ってEB4dayRA+もしくはEB4dayRA-を作製し、これらを同数程度混和させ、接着培養を行うことで分化誘導を試みた。コントロールとしてEB4dayRA+およびEB4dayRA-をそれぞれ用意した。接着培養は、DMEM FBS(-)LIF(-)中に1xB27および10^<-8>MRA、そして無添加の2区に分け8日間行った。解析は各区について経時的にcDNAを作成し、ホルモン産生細胞形成に重要な遺伝子群の発現をReal-time PCR法もしくは蛍光免疫染色により調べた。その結果、EB4dayRA+とEB4dayRA-を混和させた区では、Nestinおよびs100に加え、下垂体の発生に重要なLhx3が発現していることが確認された。一方でその他のホルモン産生細胞の特徴を示す遺伝子の発現は確認できなかった。
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