2008 Fiscal Year Annual Research Report
推奨身体活動量を満たす成人を増加させるための効果的な支援方法の検討に関する研究
Project/Area Number |
20800054
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柴田 愛 Waseda University, 総合研究機構, 助手 (30454119)
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Keywords | 身体活動 / 運動 / 健康増進 / 関連要因 / 介入 |
Research Abstract |
本研究では、「健康づくりのための運動指針2006」における推奨身体活動量を満たしている者と満たしていない者の特徴の差異について検討した。インターネット調査会社の登録モニターを対象とし、人口統計学的変数(年齢、性別、婚姻状況、教育歴、職業の有無、世帯収入)および自記式による身体活動量を調査した。回答者5177名に対し、「健康づくりのための運動指針2006」を基準に、参加者をA群(推奨身体活動量を満たしている者)、B群(何らかの活動は行っているが推奨身体活動量を満たしていない者)、C群(不活発な者)に分類した。性別で層化した上で、推奨身体活動量の実施を従属変数とし、全ての人口統計学的変数を独立変数とした多項ロジスティック回帰分析を行った。「健康づくりのための運動指針2006」の基準で分類した3群の割合は、男性ではA群で30.3%、B群で44.6%、C群で25.0%、女性ではA群で22.9%、B群で52.4%、C群で24.7%であった。男性では、職業の有無、女性では年齢、婚姻状況、教育歴において有意な関連が認められた。すなわち、男性においては、有職者、女性においては、30歳代が推奨身体活動量を満たしていなかった。また、既婚女性、大学および大学院卒の学歴を持つ女性が推奨身体活動量を満たしている割合が高いことが明らかとなった。本研究の結果は、推奨身体活動の実施に関連している人口統計学的な要因には性差があり、身体活動量増加を目的とした取り組みを行っていく上でのターゲット集団の特定に有用なデータであることが示唆された。今後はさらに、推奨身体活動量を満たすことに関連する心理的、社会的および環境的側面の要因の検討を実施し、それらの結果に基づいて、推奨される身体活動の実施に興味・関心を持たせるような具体的な介入方法やプロモーション戦略を構築していく。
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Research Products
(2 results)