2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳指向性DDSにおける血液脳関門透過機構解明による新規プリオン病治療法の開発
Project/Area Number |
20800066
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
渡辺 拓也 Fukuoka University, 薬学部, 助教 (90509647)
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Keywords | 薬学 / 感染症 |
Research Abstract |
有効なsiRNAを確立するため、導入剤にLipofectamineを用いてPrPのknock-down効果が予測される5種類の配列のsiRNAを検討した。Neuro2a細胞(非感染細胞)のPrPCのwestern blot法による解析では、2つのsiRNAにおいてPrPのknock-down効果が認められたが、そのうち1つはoff-target効果が認められた。off-target効果がなく、PrPのknock-down効果が認められたsiRNA(siPrP)を以後用いることとした。siRNAはmRNAを標的としているため、実際にPrP mRNAが減少しているか、real-time PCR法を用いて、siPrPの効果を検討した。無処置のものと比較して、siPrP/lipofectamineは90%近くPrP mRNAの減少を示した。siPrPがPrPScを減少させるか検討するため、GT/FK細胞(感染細胞)を用いて、PrPScの発現量をwestern blot法で解析した結果、siPrP/lipofectamineはPrPScの発現量を減少した。以上の結果から、病因となるPrPScの発現を抑制するsiRNAを確立した。 次に蛍光標識siPrPと脳指向性キャリアーとなるRVG-9Rを用いてフローサイトメトリーを行った結果、蛍光標識siPrPは細胞に移行していた。以上の結果から、RVG-9RはキャリアーとしてsiPrPを細胞へ移行させることが確認できた。 平成20年度では、RVG-9Rを利用したsiRNAの血液脳関門(BBB)透過によるプリオン病治療法の開発において、治療効果の期待できる複合体を確立した。
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