2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳指向性DDSにおける血液脳関門透過機構解明による新規プリオン病治療法の開発
Project/Area Number |
20800066
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
渡辺 拓也 Fukuoka University, 薬学部, 助教 (90509647)
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Keywords | 薬学 / 感染症 |
Research Abstract |
RVG-9RとsiRNAによるin vitro治療効果を検討するため、siRNAとRVG-9Rを1:50の割合で混合したsiRNA/RVG-9R複合体をGT/FK細胞に処置した。しかし、PrP mRNA量(処置後24時間)・PrPSc発現量(48,72時間)は減少しなかった。RVG-9R濃度増加は細胞死を誘発するため、siRNAとRVG-9Rの混合比を変え1:20の割合で検討したが、PrP^<Sc>発現量に影響しなった。また、9Rの立体異性体(d,1)であるRVG-9R(1)を検討したが、PrP^<Sc>発現量に影響しなった。標的分子の違いによる影響を検討するため、GAPDHを標的としたsiRNAを用いてRVG-9R/siRNA複合体のknock-down効果を解析した。Lipofectamineによる導入はGAPDH mRNA量を減少したが、RVG-9Rによる導入はGAPDH mRNA量に影響しなかった。 RVG-9RによるsiRNAの細胞移行能を解析するため、蛍光標識siRNAを用いて細胞移行を検討した。蛍光顕微鏡による観察では、siRNA/RVG-9R複合体は細胞に移行したが、siRNA/RVMAT-9Rは細胞に移行しなかった。 以上の結果から、siRNA/RVG-9R複合体は、細胞表面に結合したが細胞内に移行しない、あるいは細胞内に移行したがRVG-9RとsiRNAが解離できずsiRNAがmRNAに結合できない、ことが示唆された。
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