2008 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷異所性骨化モデルマウスにおける超音波療法の影響
Project/Area Number |
20800068
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Research Institution | Aichi Medical College for Physical and Occupational Therapy |
Principal Investigator |
勝水 健吾 Aichi Medical College for Physical and Occupational Therapy, 理学療法学専攻, 講師 (70512523)
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Keywords | BMP / 超音波 / 異所性骨化 / 脊髄損傷 |
Research Abstract |
本年度の研究は,脊髄損傷異所性骨化モデルマウスを,正確に作成することに重点を置いた.脊髄損傷を発生させた7日後にBMPカプセルを移植し,異所性骨化を惹起させるわけであるが,脊髄損傷を発生させる手術中の術中死と脊髄損傷を発生させた1〜3日後に死亡するケースがしばしばあり,手術方法を検討した.麻酔の程度,切開部の場所等の変更と,手術時間を短縮した結果,死亡のケースは減少し,安定した脊髄損傷モデルを作成することが可能となった.脊髄損傷の程度としては,臨床でも多くを占めている不全麻痺を作成することとし,先端が直径約2mmのプラスチック棒を露出した脊髄に当て,そこに3gまたは5gの金属錘を2〜5cmの高さから落下させ損傷を起こすweight drop法を選択した.これによって,マウスの麻痺の程度を評価する改変版MFS(hindlimb motor function score)の3〜8程度(中等度)の脊髄損傷モデルマウスが作成された. 安定した脊髄損傷モデルマウスを作成後,1匹のマウスの両大腿にBMPを移植し,一肢に超音波を3週間照射し,もう一肢は非照射のコントロールとして,現在9例18肢のサンプリングを終えている.超音波の照射条件は,照射出力0.1W/cm2,照射時間10分間,照射率20%として,毎日照射した.軟X線画像上では,超音波照射側において,非照射足よりも異所性骨の形成が抑制されていた.今後,サンプリングした下肢から軟X線画像をもとに異所性骨化部を摘出し,灰分重量の測定を行っていく予定である. さらに,超音波の照射条件を3条件程度行い,異所性骨化を抑制するための適切な照射条件を検索していく予定である.
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