2009 Fiscal Year Annual Research Report
大型実験装置を遠隔利用した実践的工学教育システムの構築と実践
Project/Area Number |
20800069
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
石川 一平 Maizuru National College of Technology, 電子制御工学科, 助教 (10511735)
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Keywords | 教育システム / e-learning / 物理教育 |
Research Abstract |
遠隔教育は一方向型の教材配信に留まらず双方向型の遠隔授業も活発に進められてきているが、実際の機器に触れるという体験的部分は不十分であるように思われる。そこで、本研究では通信する実験データ(信号)は各自が自らの測定機器で扱い、その結果を大型実験装置の遠隔操作に反映させるような実践的・体験的な双方向の教育実験システムの構築を目指した。平成20年度までに大型実験装置(大阪大学のイオン加速器)から得られるアナログデータをAD変換・インターネット送信・DA変換し、高専側の学生実験室の分析装置(オシロスコープ等)に繋ぎ、実験データを観測できるようにした。また、教育実験に参加する学生は自ら分析機器を操作しながら実験を進め、実験を行なう上で必要なイオン加速器の基本的な操作(例えばビーム位置や試料位置の調整やビーム強度の変調)も学生自身が行なえるようにした。 平成21年度では、学生を2つのグループ(異なる遠隔地)に分け試験的な遠隔実験を実践した。遠隔実験内容は表面分析実験(低エネルギーPIXE等)とした。インターネットを介した遠隔地からでも、実験装置側の現場で実験を行なっているのと遜色の無い応答性・データ品質・安全性が確保できることを検証した。またグループごとに違った観点で考察を行い、それら互いの考察を共有することで様々なコミュニケーションと議論を行った。参加学生のアンケート結果や実験の様子から考察すると、実際の研究現場で利用されている大型装置を用いた実践的な実験が行えるため、体験学習として学生が興味・関心をもってくれる機会を与えることができると考えられる。
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Research Products
(2 results)