2009 Fiscal Year Annual Research Report
定量的評価における影響要因の研究と公平性向上のための統計モデルの開発
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20800081
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Research Institution | The National Center for University Entrance Examinations |
Principal Investigator |
大久保 智哉 The National Center for University Entrance Examinations, 研究開発部, 助教 (80512136)
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Keywords | 定量的評価 / Vector Model |
Research Abstract |
定量的評価は「妥当性・公平性の確保」という観点において,社会的に重要な意味をもつ手段・方法となっている.また,評価・判断という行為は一般的には稀な作業に限らず,人間が何かしらの対象に対して内的に基準を設け,その基準にしたがって選択・判断をするという行為は日常にあふれ,事実そのようなデータは多くの分野において用いられている.本研究の目的は,定量評価データの特性を把握し,有用な統計モデルを提案することである.具体的には,統計モデルの提案とプログラムの実装である.今年度の研究においては,これまでに進めてきた「評価の際に個人がどのような判断基準をもって評価をおこなっているか」という点について分析することのできる統計モデルを論文として公表した.この論文では,評価対象がどのような特性を持っているかという分析と平行して,評価者がどのような特性を持つ傾向にあるかという内容についても検討できることを示している.さらに,また,心理・教育の分野で多く用いられ,評価・判断の際の基準となる特性を扱うことのできる潜在変数モデルについて,理論的な発展を試みるモデルを新たに提案した.さらに,提案したモデルをフリーのソフトウェアであるRによって分析できるようにプログラム化し,一部配布をおこなった.このモデルは,評価した際の評定基準点と評価者の特性の間に順序性を保つためのモデルとして制約をかける必要がある場合に役立つことが示されている.
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